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[ここまで治せる  不登校・ひきこもり]


■文部省の調査によれば、不登校のままで中学校を卒業した生徒の65%までは進学していますが、そのうちの38%は中途退学しています。そして二十歳になったときの生活状況は、「正社員22.3%、専門学校8.0%、短大・大学8.5%。通信高校6.5%、フリースクール5.4%、何もしていない22.8%。残りはパートかアルバイト」という状況でした。
■実質的には二十歳の時点で「全体の約6割がニートかフリーター。その中の約三分の一がひきこもり」という状況が現実のようです。
■愛知県の調査でも「20~30歳代のひきこもりの52.6%が中学から高校で不登校だった」ことが分かっています。
■このような経過から、文部科学省も平成十五年三月に、「不登校は様子を見るだけでは解決しない」「状況に応じて登校への働きかけをするべき」「ただ待つのではなく早期の対策を」「社会的な自立を目指す」と提言しています。
■それにもかかわらず現在でも「エネルギーがたまるまで様子を見ればよい」という、医療であれば「誤診」といわざるを得ないような指導が行われていることが多いようです。。

久徳クリニックでは、開院当初から「積極的に働きかけて登校再開を目指す」治療を行っています。 治療の基本は「認知行動療法」を応用した「生活療法」になります。
生活療法は「たくましさを引き出す」ことにより自然に登校再開できることを目指す治療法であり、本人に「学校に行きたい」という気持ちがありさえすれば、1ヶ月以内に9割までの子供たちは登校再開できています。
「生活療法」は決して特殊なことをしているわけではありません。日常生活での「しつけ」の延長といっても間違いではありません。本書ではその「基本的な考え方と進め方」について解説しています。
登校できれば「不登校が治った」という訳ではありませんが、「登校を再開する」ことは「休み続けるという悪循環」を断ち切ることに繋がり、子供たちに自信と勇気を芽生えさせます。
ですから、「治療を始めてからどれくらいの期間でどの程度までの子供が登校できるようになったのか?」という「登校再開率」は治療上極めて重要なポイントになります。
本書の題名の「ここまで・・・」という言葉には「生活療法を実行できれば一ヶ月で9割というところまで登校再開できる」という意味が含まれています。
そして、本書の内容を応用していただければ、不登校をご家庭で「治す」ことも「予防する」ことも(決して誇大広告ではなく)十分に可能です。「ここまで・・・」にはその意味も含まれています。不登校の解決は決して難しいものではないのです。
本書の初版は平成十三年ですが、平成二四年九月には第三版が出版されました。ベストセラーとはいえませんがロングセラーの一冊です

〔主な内容〕
第1章 なぜ、不登校・ひきこもりになるのか
・不登校・ひきこもりを理解するのは難しくない
・「そのように」育ってしまった子どもたち
・不適切に育てられると
第2章 不登校・ひきこもりの考え方
・一人前に育つために必要なもの
・親が悪いのか?
・成長の原則、等差数列成長説
第3章 不登校・ひきこもりの対策
・不登校・ひきこもりにもいろいろある
・様子を見ていては何の解決にもならない
・「支持的対応」と「指示的対応」
・生まれつきか育てられ方かの見きわめ
・話せばわかる?
第4章 実際にあった事例集
・過干渉と盲従が原因だった不登校
・筋を通した親が救った不登校
・カウンセラ-の意見に従ったための不登校
・とげとげした家族関係のために不登校、そしてひきこもり
・母親が足を引っ張り立ち直りに失敗した例
 
*その他、参考図書としてあわせてお読みください。
「人間形成障害」 久徳重和著 祥伝社新書 860円
「親を愛せない子どもたち」  久徳重盛著  大和出版  1,470円