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不登校

 

昭和50年代から社会問題化してきた不登校に対して、平成4年3月に文部科学省は、「不登校は病気ではなく誰にでも起こりうる」「登校刺激が状況を悪化させることもある」「子供のエネルギーがたまるまで待つことが好ましい」「登校を促すよりは居場所を作るべきである」と提言しました。その結果「登校刺激を与えずに見守る」という対応が全国的に拡がってしまいました。
 
フリースクールの草分けである、「東京シューレ」の奥地圭子理事長も「学校を休むことを罪悪視せず、自分の心や体の欲求に素直になり、ゆっくりしたり充電する時間をもつことを子供のみなさんにはおすすめします」、「社会の偏見がまだあるにしても、30~40年前のほとんどの不登校経験者は、学校に通い続けた方と同じように社会生活、家庭生活を送っています」とおっしゃっています(中日新聞・平成14年4月14日)。
 
ほんとうに「ほとんどの不登校経験者」が「学校に通い続けた方と同じように社会生活、家庭生活を送っている」のであれば、たとえわが子が不登校になろうとも様子を見ていればよいことになりますが、現実はそうではありませんでした。
平成13年に文部科学省が「不登校に対する実態調査」を行いました。これは初めての大がかりな調査であり、不登校のままで中学校を卒業した子が20才になった時の進路を調べたものです。その結果は次のようなものでした。
「正社員22.3%、専門学校8.0%、短大・大学8.5%、通信高校6.5%、フリースクール5.4%、何もしていない22.8%、残りはパートかアルバイト(重複あり)」。
「全体の約6割がニートかフリーターで、そのうちの約3分の1がひきこもり」という状況だったのです。
 
この調査でさすがにうろたえたのか文部科学省は平成15年3月に平成4年の提言を撤回して、「見守るだけでは解決しない」「状況に応じて登校への働きかけをする」「社会的な自立を目指す」「ただ待つのではなく早期の対応を」と方針を大幅に変更しました。
しかしこの方針の変更は学校現場までには十分に浸透しませんでした。その結果現在でも「登校刺激を与えずに様子を見る」という方針の指導が行われることが多く、不登校児も小中学生だけで約12万人に達しています。
そして平成26年7月に文部科学省による13年ぶり2回目の追跡調査の結果が発表されました。

平成18年に不登校のままで中学校を卒業した子どもたちの20才時点(平成23年)での進路を調査したのですが、その結果は次のようなものでした。
「中学校卒業後85%までの子どもたちが高校へ進学しているが、20才になった時点では、正社員9.3%、就学27.8%(短大・大学22.6%、専修・各種学校・フリースクール14.9%、定時制・通信制を含む高校9.2%)、就労と就学の重複19.6%、何もしていない18.1%、残りはパートかアルバイト(重複あり)」。

派遣労働の拡大なども影響して正社員率は22.3%から9.3%まで減少し、その影響なのか就学率は上昇しています。それでも20才になっても約1割はまだ高校生ですし、短大・大学への進学率も当時の平均56%の半分以下でした。
まとめてみれば「全体の5割弱がニートかフリーターで、そのうちの約3分の1がひきこもり」という状況でした。平成13年の調査とほとんど変わりがなかったのです。
 
この結果を受けてかどうかはわかりませんが、平成27年6月には「将来的にはフリースクールなども義務教育と認定しよう」とする動きが議員立法で動き出しています。
久徳クリニックでは「学校に問題はない、学校に行きたい、しかし行けない」という形の不登校に対しては、開院以来一貫して早期の登校再開を目指した治療を行ってきました。「様子を見る」のは「何もしない」のに等しい対応であると考えています。

私たちが早期の登校再開をお薦めするのは次のような理由によります。
 

①様子を見ていても改善の保証はない。

「灯台」でもお話ししているように、不登校の原因は「たくましい大人・社会人に成長していくためのトレーニング不足」であり、「社会(学校)の中に居場所を作る力」が弱まったか失われた状態といえます。このトレーニング不足は「様子を見ていれば改善する」というものではありません。
そして「社会の中に居場所を作る力」を充実させなければ、将来的にはニートやフリーターから、対人恐怖、パーソナリティ障害、社会不安障害、新型うつ、ひきこもりなどの「社会的・経済的自立に支障を来たす状態」に進展する可能性も高まります。
もともと「様子を見る」という対応には医学的な正当性はありません。平成4年の文部科学省の提言により、教育現場における指導方針として広まった概念にすぎないのです。
そして平成15年には当の文部科学省がその提言を撤回しているのですから、不登校に対して「様子を見る」という対応は現在では全くその根拠を失った理論ということになります。
私たちは、本人に「学校へ行きたい」という気持ちがあるのであれば、様子を見るという対応は好ましくないと考えます。③でも説明しているように、「学校に行きたいが行けない」というタイプの不登校は「年齢相応のたくましさ=社会の中に居場所を作る力」を伸ばすことにより確実に改善に向かうからです。
年齢相応のたくましさを伸ばすことを始めるのに、様子を見る必要はありません。「今すぐにでも始める」のが現実的であると考えます。
 

②心身の病気による不登校もありうる

不登校の中には「たくましさ不足」が原因ではなく、何らかの心身の病気で登校できなくなっているケースもあります。
体の病気としては脳腫瘍、腎炎、肝炎、貧血、喘息などがあり、心理的な問題としては自閉症、アスペルガー症候群、発達障害、注意欠損多動障害(ADHD)、精神発育遅滞、統合失調症などがあります。
これらの病気が原因で不登校になっている場合には、不登校の治療よりも元の病気の治療が優先されます。元の病気がよくなれば不登校も自然に改善していくことも珍しくありません。このようなケースはもともと「不登校」と考えるべきではなかったともいえます。
不登校の治療を始める前にはこれらの病気のチェックも必要になります。その意味からも早めに医療機関を受診することは大切といえます。
 

③「学校に行くこと」に意味があるのか?

たとえば明らかな「犯罪行為に近いいじめ」があり、そのために登校できないような場合は、無理をして登校を続けるのは好ましくありません。問題の解決を図ることが先になります。
「学校側に問題はない、学校に行きたいが行けない」というタイプの不登校であれば、「イヤな奴もいるけど学校に行くのは平気」といえるぐらいまで「生きるたくましさ」をのばすことが大切であるといえます。不登校は「学校に行けない」ことが問題なのではなく「年齢相応にたくましく成長していない」「学校の中に居場所を作ることができない」ことが問題の本質であることが多いからです。
 

④治療についての基本的な考え方

ですから私たちは、不登校の治療については(留年などの問題がなければ)「学校へ行くこと」を優先事項にはしません。「年齢相応に頼もしく成長すること」を通して子供たちの「たくましさ=社会(学校)の中に居場所を作る力」を伸ばすことが治療上の最優先事項であると考えるからです。
この年齢相応のたくましさが充実して「あなたも大人になってきたね」といえる状態になった時に、子どもたちは自然に何のストレスも無く登校を再会します。これは学校へ行くことを納得したとか、学校へ行く勇気が出たなどというレベルの変化ではありません。
「学校の中に居場所を作る力」とか「社会に打って出る力」が子どもたちに備わり、その力を子どもたちが発揮し始めたための変化なのです。
登校再開を目指して努力することが、この「たくましさを充実させるトレーニング」の第一歩になると私たちは考えています。
 

⑤登校再開はそれほど難しくない。

登校再開はそれほど難しいことではありません。私たちの平成20年の調査では、2~3ヶ月の治療期間で不登校児の67.6%までは問題なく登校再開できています。極端な場合には2年間行けなかった子が初診の翌日から「全く普通に」登校再開したケースもあります。そして、問題は残されていても登校再開できたケースまでを含めれば、登校再開率は97.2%に達します。
学校に行けさえすればよいという訳ではありませんが、2~3ヶ月でここまで改善するのであれば、「様子を見る」必然性はないといえます。
ただしこの数字は、中途で治療を中断した例とか進路変更して登校再開を目指すことを取りやめた例、様々な理由によって治療方針を変更した例などは含まれていません(治療成績の詳細はこちら)。
 

⑥早い方が良くなりやすい。

 
平成13年と23年の文部科学省の調査からも「不登校のままで中学校を卒業すること」は好ましくないことが分ります。
さらには不登校やひきこもり状態が続くうちに、「行けなくて焦り、イライラする時期」から「一見落着いて見えるが常に学校や働くことを意識して情緒が不安定になる時期」に進み、その後「学校や働くことに対して(自分の将来に対して)完全に無関心になってしまう状態」に至る場合があります。
誰でも必ずこの経過を取るわけではありませんし、進み方も状況によって様々ですが、ただ、「自分の将来に対して無関心」になってしまうと治療は困難になります。
以上のような理由から、私たちは不登校全般に対しては「できれば1日でも早く」改善させた方がよいと考えています。特に小中学生の不登校は、中学卒業までには必ず解決しておくべき問題であると考えています。
 

⑦様子を見ていて手遅れになったらなんとも残念。

文部科学省の平成23年の調査結果からも明らかなように、不登校のまま中学校を卒業して高校へ進んでもその後の進路が順調という保証はありません。そして20才になった時点で明らかに社会参加できていないケースが約2割あるのですから、フリースクールなども含めて「中学を不登校状態のまま卒業する」のは将来に向けてのかなりのリスクを残した状態と言えます。
そのリスクのうちの最も深刻なものは、不登校の長期経過として「親子長々と苦労しながら最終的に家系が耐えていく」という事態に至ることです。久徳クリニック初代院長の久徳重盛は1990年ごろに「育児崩壊三代目に入る2015年以後は問題の子供と大人に満ち溢れた国になり、人の面でも経済の面でも日本の政治の力ではどうしようもない時代になる」と警鐘を発していましたが、不登校においても2015年頃から、「80/50問題」という深刻な事態が表面化してきています。
「様子を見る」ことによりこのような結果に至ってしまったら、それはなんとも残念な事態としかいえないことになります。
 
以上のような考え方を継承して、きゅうとく医院では「1日でも早く登校を再開する」ことを目指して、「本人のたくましさを充実させて、社会の中に居場所を作る力を伸ばす」ための治療を行っています。③でもお話ししたように、「居場所を作る力」を充実させれば、子どもたちは「本来通うべき学校」に自然に健康に登校できるようになるのです。
この「社会の中に居場所を作る力を伸ばす」ための治療法を私たちは「生活療法」と読んでいます。この治療法は不登校のみならず、ひきこもり・パーソナリティ障害・新型うつなどにもきわめて効果があります。生活療法について詳しくお知りになりたい方は「ここまで治せる不登校・ひきこもり」「人間形成障害」をお読みいただければと思います。
 

人間形成障害

 
この人間形成障害型の社会では、親がまったく普通の子育てをしているつもりであっても、子供たちに様々な問題が「予測もできない状況で自動的に」現れてくるようになります。

 

 

ぜんそくは自分で治せる

 
気管支ぜんそくの臨床は、いままでの『わからない・治らない』という時代から『原因を分析し実行すれば治る』時代に入ったのです...」。

 

 

ぜんそく根治療法

 
通院できない患者さんであっても、自宅で総合根本療法を実行して喘息を治していくことができるだけの知識を執筆されています。

 

 
ここまで治せる

不登校 ひきこもり

 
不登校をご家庭で「治す」ことも「予防する」ことも十分に可能です。不登校の解決は決して難しいものではないのです。